だけど、その後が続かない。
攻めの一手が浮かばない。ーー勝ち方が分からない。
“次に何をするのか“が思いつかないまま、私は中途半端な距離で立ち尽くしていた。
「…なるほど」
凛月が低く呟いたその瞬間、頭の中でアラートが鳴り響く。
次の瞬間、さっきよりも的確な踏み込みがきた。
…早い
空気を切る音と同時に、私は地面に手をついて滑り込むように回避した…
けれど、その拍子に膝を擦り、息が詰まる。
痛っ
立ちあがろうとした足が、ほんの一瞬遅れた。
それだけで、凛月が目の前まで詰めてきて腕を取られる。
「くっ!」
倒される。そう思った瞬間、体が勝手に反転して、地面に背をつかずに着地する。
そのまま転がって、距離をとった。
息が荒れる。
まだ数十秒しか経っていないのに、肺が痛い。
自分の体力のなさを痛感する。
運動部にでも入っておけばよかったなんて思うけど、そんな後悔をしたって無駄だ。
身体は動く。
でも、続かない。
凛月が、目を細めて私を見ていた。
汗が頬をつたう。
足に力が入らない。
それでも、下がりたくなかった。
私はもう一度構えて、凛月の動きに集中する。


