「……お前、これ、まぐれじゃないだろ?」
凛月が低い声で問う。
私はうつむいたまま、小さく息を吐いた。
「私……6歳までの記憶がないの。施設にいたんだけど、その前のこと、全部思い出せない。
だから、もしかしたら……昔、何か……こういうことをしてたのかもしれないって……」
一瞬、静まり返った空気を破ったのは、やんちゃな笑い声だった。
「へえ〜! じゃあ試してみようよ!」
晴が軽く跳ねるように私に向かって突っ込んでくる。
「うわっ!?」
思わず身を引いちゃったけど、次の瞬間、晴の腕をするりと取って、回しながら足を引っ掛け、ソファに向かって柔らかく転がした。
「いった!? なにこれ!?」
「え、ちょ……ごめん! 体が勝手に……!」
私はびっくりして、自分の両手を見つめた。
その様子に、結翔が低く笑う。
「……やっぱり、面白ぇわ。お前」
「なあ六花。よかったらさ、本格的に“海月”に入らね?」
伊織が初めて、心からの興味をにじませる声で言った。
「お前の居場所、案外ここかもよ」
私は少しだけ黙って、でもすぐに、いつもの笑顔を浮かべた。
「うん。……ちょっとだけ、楽しそうかもって思った」
そう言って笑った私を見て、幹部たちはそれぞれ意味ありげに表情をゆるめた。
けれど、さっき転がされた晴はというと――。
「……くっそー……!」
ソファの上でぺたんと座り込んだまま、唇を尖らせてこっちを睨んでいた。
凛月が低い声で問う。
私はうつむいたまま、小さく息を吐いた。
「私……6歳までの記憶がないの。施設にいたんだけど、その前のこと、全部思い出せない。
だから、もしかしたら……昔、何か……こういうことをしてたのかもしれないって……」
一瞬、静まり返った空気を破ったのは、やんちゃな笑い声だった。
「へえ〜! じゃあ試してみようよ!」
晴が軽く跳ねるように私に向かって突っ込んでくる。
「うわっ!?」
思わず身を引いちゃったけど、次の瞬間、晴の腕をするりと取って、回しながら足を引っ掛け、ソファに向かって柔らかく転がした。
「いった!? なにこれ!?」
「え、ちょ……ごめん! 体が勝手に……!」
私はびっくりして、自分の両手を見つめた。
その様子に、結翔が低く笑う。
「……やっぱり、面白ぇわ。お前」
「なあ六花。よかったらさ、本格的に“海月”に入らね?」
伊織が初めて、心からの興味をにじませる声で言った。
「お前の居場所、案外ここかもよ」
私は少しだけ黙って、でもすぐに、いつもの笑顔を浮かべた。
「うん。……ちょっとだけ、楽しそうかもって思った」
そう言って笑った私を見て、幹部たちはそれぞれ意味ありげに表情をゆるめた。
けれど、さっき転がされた晴はというと――。
「……くっそー……!」
ソファの上でぺたんと座り込んだまま、唇を尖らせてこっちを睨んでいた。


