漂う花は、還り咲く



「これ、順番あるね」

「は?」


晴が振り向く。

「黒板の数字と、机の配置。たぶん対応してる」


黒板に書かれた意味ありげな数字と、微妙にずれた机の並び。


一つずつ照らし合わせていく。

「……あ、これか」


一つの机の中を開けると、小さな鍵。


「早くね?」

「まだ序盤でしょ」

伊織と結翔の囁きが聞こえてくる。


鍵を使ってロッカーを開ける。

中には紙が一枚。


“赤は嘘、青は真実”


「色か」

教室内を見渡す。


掲示物、チョーク、テープ。


さっきはただの装飾に見えたものが、急に意味を持ち始める。


「これ、全部繋がってる」


気づいた瞬間、一気に線になる。


「六花、なんかすごくね?」

「そう?」


ただ、見えるものをそのまま繋げてるだけなのに。


「……これだ」

最後の鍵を見つけて、出口の扉に差し込む。


カチッと音がして——

「クリアでーす!」


外から声が響いた。

「はやっ」


扉を開けた瞬間、みんなの声が飛んでくる。


「え、もう終わり?」

「ヒント使ってないよな?」

「六花一人でやってたろ今の」


一気に囲まれて、ちょっとだけ後ずさる。


「いや、なんか普通に分かっただけなんだけど……」

「普通じゃねーよ」


晴が苦笑いする。


「俺、ほぼ何もしてねーし」

「一応一緒にいたじゃん」

「それだけな」


軽く笑われて、なんだか少しだけ照れる。