鈴奈は独身の時より多忙な日常を過ごしていた。

　朝7時に起床し、朝食の用意をし、夫を会社に送り出してから、洗濯機を回しながら、塾の仕事に行く準備を始めた。

　１週間前に、高校の時の元彼の光橋颯太から連絡があり、今日の仕事前に会う事になっている。

独身の時と変わらぬ様に、服選びにも気を遣い、化粧をして、最後にマニュキアも塗った。

颯太との待ち合わせ場所は、鈴奈が結婚してからは、ホテル近くにあるコンビニと決まっていた。

待ち合わせの時間に行くと、颯太はもう来ていた。

2人はペットボトルのお茶と、軽くつまめるお菓子を買ってコンビニを出で、いつものラブホテルに向かった。

夫とのセックスには正直言って、鈴奈は満足出来ていなかったこともあるが、とにかく鈴奈は捨てられない性格の女なので、結婚したからといって、以前から続いていた関係を捨てるというか、勿体なくて切ることは出来なかった。

お互いのスケジュールが合えば、年に2、3回のペースで会って、セックスをたのし楽しんで
いたのだった。

人妻という立場が、ちょっとしたスリルが今までに無い体験で、ワクワクとドキドキの入り混じった感じで、颯太とのセックスは充実したものになっていた。

　合コンで知り合った朝吹蓮とも今も続いている。
彼は忙しいらしく、お互いの都合がなかなか合わないでいた。

　二股をかけられていた元彼とも、勿論切れてはいない。
細く長く続いていた。

食事に行ったり、たまにはホテルに行ったりと、２人だけの時間を楽しんでいた。

生涯で愛せるのは貴文だけだと、思い続けている鈴奈は、彼と居る時が一番幸せな気持ちになっていた。