2人は2LDKのマンションで新婚生活が始まった。

夫のお給料だけで十分に生活は出来るのだが、鈴奈は独身の時からやっていた学習塾の先生の仕事を、続ける選択をした。

 順調に結婚生活は送れていたが、とにかく片付けられない鈴奈は、部屋にはどんどんと物が溜まっていく。

明らかに人の住むスペースが、
物で占領されていっているのに、旦那様はそれについて何も言わない。

見て見ぬ振りをしているのだろうか。
何も言われない事をいいことに、物はどんどんと積み上がっていったのだった。

 そうなんです!
2人は似た者同士だったのです。
片付けられない、捨てられないの似た者夫婦だったのです。

もう一つ似ている所と言えば、事あるごとに新品を揃えること。
例えば、友人の結婚があれば洋服を新調し、旅行に行く時には
新しいカバンと洋服を揃えるのだった。

これが2人分なので、当然の如く物は増えていく。

2LDKのマンションの一部屋は物で一杯になっていった。

整理整頓が苦手な2人は、その他の部屋にも雑然と物が置かれていた。

物が溜まっていくのを見ても、何も感じないのかお互いに、
「片付けようよ」という言葉が出で来ないのが不思議だ。

もしかしたら、物に囲まれているのが安心感があるのだろうか……。