お見合い
10月19日、大安吉日、2人は一流ホテルの和食のお店の個室にいた。
正式なお見合いではないので、お互いの両親の同席はなかった。
「初めまして、香坂鈴奈です」
お見合い相手の情報は頭に入っていたので、写真と実物の差はさほどなく、最初の印象通り地味な顔立ちだった。
「初めまして、真宮敏樹です」
丁寧なお辞儀をして言った。
『さすが、三高! 礼儀正しさがあるとわ』と鈴奈は思った。
席に着くと、ほどなくウェイターが食前酒のシャンパンを持って現れた。
2人はシャンパンで乾杯をして、目の前に置かれた前菜を摘みながら、彼はポツリ、ポツリと、話し始めた。
一流企業に勤める彼は、会社でどんなポジションで、どんな仕事をしているのかとか、大学は北海道の大学だったので、冬はスキーを楽しんでいたことなどを話した。
鈴奈も自分自身の仕事の事や、趣味のピアノのことなど、真実に " いい加減 "に嘘を交えて、いい感じに自己紹介をした。
一流ホテルのコース料理は美味しかった。
次々と出されるお料理に驚き、その味を2人は堪能した。
初めてのお見合いは和やかなうちに進んでいった。
コース料理の最後のデザートが運ばれて来た時、
「鈴奈さんは、そんなにお美しいのに、なぜお見合いをしょうと思ったのですか?」と彼は突然聞いて来た。
少し間を置いてから鈴奈は、
「付き合っていた人に、二股かけられていた事が分かり、悔しくて……」
「そんな時友人のひとりが、もう彼の事は忘れて、他は良い人見つけた方がいいよと、助言してくれて、友人も良い人がいたら紹介するよと、言ってくれたのです」
「私も、それも良いかもしれないという気持ちになったのです」と、答えた。
「そうですか……」
「それで、その男性とは別れたのですか?」
「もちろんです。別れました」と嘘をついた。
彼とは会っていないが、正式に別れた訳ではない。
鈴奈は別れる気は頭の中には全くなかった。
コース料理のデザートのメロンをあしらった、見た事の無い様な素敵にデザートを食べ終えた所で、お互いの連絡先を交換して、その日は別れた。
10月19日、大安吉日、2人は一流ホテルの和食のお店の個室にいた。
正式なお見合いではないので、お互いの両親の同席はなかった。
「初めまして、香坂鈴奈です」
お見合い相手の情報は頭に入っていたので、写真と実物の差はさほどなく、最初の印象通り地味な顔立ちだった。
「初めまして、真宮敏樹です」
丁寧なお辞儀をして言った。
『さすが、三高! 礼儀正しさがあるとわ』と鈴奈は思った。
席に着くと、ほどなくウェイターが食前酒のシャンパンを持って現れた。
2人はシャンパンで乾杯をして、目の前に置かれた前菜を摘みながら、彼はポツリ、ポツリと、話し始めた。
一流企業に勤める彼は、会社でどんなポジションで、どんな仕事をしているのかとか、大学は北海道の大学だったので、冬はスキーを楽しんでいたことなどを話した。
鈴奈も自分自身の仕事の事や、趣味のピアノのことなど、真実に " いい加減 "に嘘を交えて、いい感じに自己紹介をした。
一流ホテルのコース料理は美味しかった。
次々と出されるお料理に驚き、その味を2人は堪能した。
初めてのお見合いは和やかなうちに進んでいった。
コース料理の最後のデザートが運ばれて来た時、
「鈴奈さんは、そんなにお美しいのに、なぜお見合いをしょうと思ったのですか?」と彼は突然聞いて来た。
少し間を置いてから鈴奈は、
「付き合っていた人に、二股かけられていた事が分かり、悔しくて……」
「そんな時友人のひとりが、もう彼の事は忘れて、他は良い人見つけた方がいいよと、助言してくれて、友人も良い人がいたら紹介するよと、言ってくれたのです」
「私も、それも良いかもしれないという気持ちになったのです」と、答えた。
「そうですか……」
「それで、その男性とは別れたのですか?」
「もちろんです。別れました」と嘘をついた。
彼とは会っていないが、正式に別れた訳ではない。
鈴奈は別れる気は頭の中には全くなかった。
コース料理のデザートのメロンをあしらった、見た事の無い様な素敵にデザートを食べ終えた所で、お互いの連絡先を交換して、その日は別れた。

