お見合い相手


「鈴奈!、見つけたわよ!結婚相手になりそうな人。お見合いしてみない!」

と、前の電話から3ヶ月位後に、莉乃から電話があった。

「今度会いましょう!」

「詳細はその時に話すわ」と、
一方的にまくしたて、電話は切れた。

 莉乃の電話から3週間後に、
2人ははいつもの喫茶店に居た。

「友人の知り合いで、お見合い相手を探している人が、偶然にもいたのよ!」

興奮気味に莉乃は、言葉を続けた。

「話しを聞いて、鈴奈にピッタリだと思って、写真も入手してきたわ」

「鈴奈の3高の望みは、叶えられていると思うよ」

「そっ、そうなの」
手渡された写真を見ながら、

「ウーン、ちょっと地味な顔ね……」

よく見ると味のある顔とも捉えることが出来ない訳でもないが……。

写真の彼は、大学は国立の北海道大学卒業。
一流企業勤務、将来は幹部候補。

身長は、175cmでスマート。
申し分のない3高だった。

父親は警察庁のキャリア、母もそれに似合った家庭の出の女性だった。

「高収入、高学歴、高身長、それに高レベルな顔、4高が揃った人なんて、いるのかしらねー?」

「高レベルな顔ねー」

「でも一番は、性格じゃないの。暴力男は一番ダメよね」と友人。

「暴力は絶対ダメよ」

「もう先方のほうは『会いたい』という返事をもらっているのよ」

「お見合いの件、良い返事まってるわ」

「かわった」

と言って、鈴奈と莉乃はお店を出て、それぞれの方向に別れた。