一本目のビールを飲み干し、二本目のビールを飲み始めた所で、少し気持ちが落ち着いて来た。

 私は貴文のことが本当に好きだった事を思い知らされた。
こんなにも心が激しく動揺している……。

貴文とは学生の時からの付き合いで、5年は経っていたので、プロポーズされたら喜んで、「はい!」と答える日を想像したりもしていた。

必ずそんな日が来ると信じていたのに……。

そんな鈴奈には、元彼の光橋颯太、合コンで知り合った朝吹蓮の2人とは時々逢って、体の関係は続いている。

でも、心までは彼らには許してない。なのでこれは絶対に浮気ではないと、鈴奈は割り切っていて、彼らとセックスを楽しんでいる。

 第三者から見たらこれは『アウトでしょ!』と思うに違いない。

鈴奈の身勝手な考え方に、何人の人が同調するのであろうか……。

 貴文との話し合いの時に知ったのは、『今は誰とも結婚する気はない……』ということだった。

女と別れるといった言葉も聞けなかった。