人質になったら敵総長に執着監禁されてます・・・？

「朱羅！近づくの禁止！」
「え～、なんで？感じてたの恥ずかしかった？」
「んなっ・・・違う！危機を予知したの！」
「縫ちゃんはほんとに面白いこと言うね。大丈夫、優しくするから」
「さっきも優しくなかった・・・！」
夜、何故か用意されていたベッドに、朱羅が侵入してきた。
「入ってこないで・・・！変態・・・っ！」
「男ってだいたいそういうもんだから。まぁ、そんな男、縫ちゃんには近づけさせないけどね」
「今近づいてきてるの・・・！」
朱羅のこと言ってるの！とその肩を押し返すと、彼が衝撃の一言を。
「だって俺、寝るとこないんだもん」
「・・・え？」
「縫ちゃんと寝るつもりだから、ベッド１つだよ？」
まさかの『ベッドに入れないといけない状況』をつくっていた。
「じゃあ私はソファーで寝る！」
「あーあー、暴れないで。俺がお姫様のことソファーで寝かせると思う？」
「思わない！でもソファー行っ・・・」
「駄目だって」
起き上がろうとすると、腰に腕が回ってきて、ベッドに戻された。
「縫ちゃんは俺と寝ないと。俺のものでしょ」
「違う・・・！」
なんかさっきから勝手に色々決めちゃってるし、私人質になること以外同意してないから！
「ほら、一緒に寝よ？襲わないから」
「それは当たり前です・・・！でもこわいから！」
「・・・段々、俺と自分の立場忘れてんね？」
冷静で、でも笑いを含んだ朱羅の言葉で、私は我に返った。
「あ・・・」
ど、どうしよう・・・朱羅の機嫌損ねたら、私・・・。
蒼翼狼(みんな)を守りたいのに、逆に迷惑かけちゃう・・・！
「縫ちゃん、あのね？俺がご主人様だとしたら、縫ちゃんはメイドさんね？」
「は、はい・・・」
「ん？ご主人様の許可なく喋り方戻したら駄目だよね？」
「・・・うん」
こ、こわい・・・！
正直、今すぐ逃げ出したいくらい怖いよこの敵総長(ひと)・・・！！
「だから、メイドさんにとって、ご主人様のいうことは絶対なの。縫ちゃんは今、その状況なんだよ？」
たしかに、その通りだ。
私にだけいい条件出されたのに、わがまま言うなんて、よく考えたら私・・・。
・・・色々と図太すぎない？
「わか、った・・・」
「うん、よくできました。でも縫ちゃんはただのメイドさんじゃないくて俺の専属だからね？いーっぱい俺に愛されるのが仕事です」
「うん」
愛される・・・？っていうのはちょっとおかしいかもしれない。
でも、間違いなく私は、抵抗しないほうがいい立場だ。