「お揃いのキーホルダーでも買う?」
ファンシーショップの前で遥樹くんがそう言い出した。
「遥樹がそんなこと言うなんて珍しー。」
柚音がふざけた調子で遥樹くんの腕を小突く。
「親睦を深めるのも大事だから」
遥樹くんが私と柚音を置き去りにしてファンシーショップに入っていってしまったので、慌てて追いかける。
「エスターバニーとか可愛くない?」
柚音がピンク色のうさぎのキーホルダーを指差す。
「こんなん俺やだよ。せめてちいかわとかにしようぜ」
遥樹くんのカバンにちいかわがついているところを想像して、私は思わず笑ってしまった。
「遥樹のカバンにちいかわとか超シュールじゃん!」
私と同じことを考えていたのだろう。柚音が大笑いしている。
「じゃあキティちゃんとか?」
私が提案すると、また柚音が大笑いする。
「サンリオキャラのキーホルダーとか超ウケるー!」
「俺も恥ずかしいわ」
遥樹くんにあっさり却下されてしまった。
「じゃあスヌーピー」
「スヌーピーはギリ許す。」
遥樹くんのお許しを得たので、私たちはスヌーピーのイニシャルキーホルダーを買った。



