暑い夏。中学生最後の青春を恋人と過ごす。
「浴衣似合ってるね。」
「ほんと?ありがとう。琴葉も可愛いよ。」
「ふふっ照れるなぁ〜」
ちょっと前に付き合った玲。
優しくてかっこいい私の自慢の彼氏。
少し前に付き合った琴葉。
とにかく可愛い俺の彼女。
「何食べる〜?」
「そうだなー普通にかき氷とか食べる?」
「いいね!そうしよ!」
「何味にした?」
「私いちごー!」
「一緒。」
「ほんと?笑気合うね笑」
ピンクのかき氷を少しづつ食べる琴葉。
そのペースだと最後はジュースだな。
いちごのかき氷を一気に食べる玲。
頭痛くならないのかな?
「玲!琴葉!」
「ん?あ、透」
「透!やっほ!浴衣可愛いね!」
「んありがと!てか青海知らない?」
「さっきすぐそこにいたよ?」
「マジか!すぐ行かなくちゃ」
「あっ!」
見事に何も無いところでつまづく透。
「おい、大丈夫か?」
「何してんの〜透は」
「おっととごめんごめん!」
「透、せっかく可愛いのに髪の毛出てきちゃってるよ。ほら、ちょっと来て。」
透の髪を耳に掛ける。
あれ、透ってこんなに綺麗だったっけ。
心臓の鼓動が早くなる。
伏し目で見える長い睫毛。
スっと通った鼻。
小さい顔。
こんな事思ったこと無かったのに。
「透、口になんかついてるぞ。子供か?」
透の小さい口を拭う。
こいつ、こんな綺麗だったかな。
かき氷のいちご味みたいに綺麗な色の唇。
黒くてサラサラな髪。
俺を見る綺麗な目。
「2人ともありがとね笑ごめん、私青海探しに行くね!あとは2人きりで楽しんで!」
「お、おう」
「はーい、、!」
なにドキドキしてんの私。
いや、あれでしょ、普通に。
普通に女優さんとか凄い綺麗な人とか女でも惚れるとか言うしね?いや全然アイドル見てる時とかと同じ気持ちだから。
何見とれてんだ俺。
いや、浮気じゃないから。
ただちょっと見ただけ。別にドキドキとかしてないから。琴葉の方が可愛いし。別に。

