この偽装恋愛、もしやとてつもなく甘い…? 傍若無人な御曹司がこんなに愛してくるなんて聞いてないですっ!

 頬が火照りすぎてヒリヒリする。

 唇からは、はぁはぁと過呼吸気味の吐息が漏れ続けてしまう。

 抱きしめられているのが幸せすぎて、瞳に雫がにじんできちゃった。



 でも私は仮カノだから、この幸せを真に受けたらダメ。

 国見君の腕の中から抜け出さなきゃ。

 観覧車がもう一度地上に着いたら、この遊園地から出てバイバイしたら、今まで通りの挨拶すらしないクラスメイトに戻るんだから。






「好きだよ、さら」






 いきなり耳に吹きかけられた甘い吐息。



「え?」



 嬉しさよりも警戒心が募っていく。



 そんなわけがない。

 国見君の甘い言葉なんか信じちゃダメだ。



 そう思うのに――



「どうしようもなく、さらに惹かれてる」



 切なく揺れるオス声をもらした国見君の腕が、私の体を圧迫。

 本当に愛されているような錯覚に陥るも、喜びよりも信じられないという気持ちが勝ってしまう。