この偽装恋愛、もしやとてつもなく甘い…? 傍若無人な御曹司がこんなに愛してくるなんて聞いてないですっ!

 戸惑う暇もなく、後ろに引っ張られていく私の体。

 いきなり視界が真っ暗に。

 私の顔面が国見君の胸板に沈み込んでいる。

 いきなりどうしたの? 

 何が起きたの?

 国見君に抱きしめられているってことでいいんだよね?


「もう一周ですね。行ってらっしゃい」

 スタッフさんの穏やかな声のあと、ドアが閉まる音がした。

 再び、本日二度目、夜の密室観覧車に二人きり。

 満月に引きよせられるように、ゆっくりとゴンドラは上昇していく。

 国見君は何もしゃべらない。

 胸元に閉じ込めた私を離そうともしない。

 私の背中に片腕を絡めたまま、反対の手で髪を優しくなでてくるから、頭の先からつま先までの全細胞がオスめいた甘さに溺れてしまいそうになる。