この偽装恋愛、もしやとてつもなく甘い…? 傍若無人な御曹司がこんなに愛してくるなんて聞いてないですっ!

 わがままな恋心が瞳に宿る。

 私のまぶたは緊張とドキドキで潤んでいるに違いない。

 不安げに揺れる瞳で国見君を見上げれば、驚いたように目を見開いた国見君と視線が絡み合ってしまった。

 視線を逃がすこともできる。

 ちょっと目玉を下げるだけ。

 でも私の瞳は、目の前の国見君を映し続けることを選んだ。

 表情を引き締めながら立ち上がった国見君を、揺れ潤んだ視熱で捕える。

 伸びてきた手のひら。

 大切な宝物を愛でるように、私の両頬を優しくつつみこんでくれた。

 皮膚に浸食してくる温度が恋熱に代わり、いたずらに体中をめぐりだす。

 観覧車じゅうに甘ったるい空気が蔓延していて、息苦しい。

 私は今日だけの彼女、いわば仮カノ。

 もうすぐシンデレラの魔法が溶けちゃうのに。

 愛されているって勘違いしちゃダメなのに。