この偽装恋愛、もしやとてつもなく甘い…? 傍若無人な御曹司がこんなに愛してくるなんて聞いてないですっ!

 ギャップって恐ろしいね。

 人間拒絶の冷徹ドーベルマンが、飼い主だけに心を許すあの感じ。

 高校で一切笑わない傍若無人プリンスが、私に助けを求めてきた。

 頼む相手は誰でもよかったんだと思う。

 グッドタイミングで私が通りかかったから

『あの人にお願いしよう。同じクラスの古川さんだ。しゃべったことないけどまぁいっか』

 そういう運びで間違いないかと。

 もちろん伝えたよ、国見君の彼女役なんて私には務まらないって。

 二度目で耳がもういいよって拒否るかもだけど、もう一度言わせて。

 本当にギャップっておそろしいの。

『陽だまりみたいに温かくて優しい古川さんなら、俺の両親も絶対に気に入るから』だって。

 首の後ろに手を当て視線を地面に落としながら、恥ずかしそうにささやいたの。