「少し自由を与えてやったらすぐ図に乗る。
“広瀬”を守り発展させていくために生きろと教えてきた筈だ。
広瀬家の長男が“身勝手な我儘”で好き放題言うのは大概にしろ!」
――身勝手な我儘?
ブツリ。心の中で何かが切れた音がして、堰き止めていた感情が一気に喉まで押し上がってきた。
「………っせぇ…。」
一瞬の揺らぎも許さない張り詰めた空間が、私の声で僅かに震える。
その異音に、広瀬親子の視線が一斉に集まったけど、
そんなの知ったことか。
「うるせぇええええええ!」
厳粛で閑静な佇まいに似合わない怒号に襖が揺れる。
バン!と机面を叩き勢いよく立ち上がって、前のめりで広瀬父を睨みつけた。



