静かに鋭く差し込むのに、温かな色が滲む声色。
一呼吸おいて、聖は話を続ける。
「まーくんや涼ちゃんは、“好き”に“恋愛感情”って名前をつけたでしょ?
――俺は違うよ。
恋とか友情とか家族愛とか、そういうラベリングなんてどうでもいい。
ただ純粋にひーちゃんのことが好きなだけ。」
その目には一点の曇りもない。
だからこそ、真にはそれが不可解に映った。
「……意味が全くわからねぇ……。」
頭を抱え始めた真を他所に、聖が気怠そうに立ち上がる。
自分の感情を理解してもらおうとは思っていない、そんな淡白な態度だ。
「わからなくていいよ〜。何に影響があるわけでもないし。
これからも俺はひーちゃんの友達ってこと。まーくんとも涼ちゃんともね。
――ってことでおやすみ。今回は寝落ちしないでよね〜。」
「な゛っ……!するわけねーだろ!」
もう後ろ姿の聖に投げた言葉は返ってこない。
リビングの扉はゆっくりと閉まって、薄明るい部屋は再び静寂に包まれた。



