姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


――――……

「そろそろ寝ようか〜。」

「……ん、そうね。もう限界……。おやすみ……。」

姫が欠伸をしながらリビングを出て行った後、入れ替わるように真がリビングに入ってきた。

「盗み聞きとは悪趣味だなぁ。」

足音に振り返ることもなく、冗談まじりに聖は言った。
薄く笑うその顔に、驚きは少しもなかった。


「お前も結局、姫のことが好きだったのかよ。」


姫の温もりが残るソファの空席に真は乱暴に腰を落とす。

その眼光は穏やかで、今までの答え合わせをしようとしているかのようだ。

「……まーくんと一緒にしないでくれる〜?」

「何が違うってんだよ。」

真がムッと眉を寄せる。

間接照明に照らされた聖の笑みは、その陰影を濃くハッキリと落としている。


「――ひーちゃんは俺の“全て”だよ。」