姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「これは?」

「いいからいいから。付箋が貼ってあるとこ、見てみてくれる〜?」

サプライズを隠しきれない子どものような笑みを浮かべて榛名聖は私を見ている。

なぜそんなに嬉しそうなのか――。
わからないが、言われるままに付箋が付いたページを開いた。


「あ、これ……!」


それは“休日のデートコーデ”と銘打った特集ページ。

何人か女性モデルが普通の女子高生に扮して、映画デートとかカフェデートとか、様々シチュエーションごとのファッションコーディネートを紹介している。

そのうちの1人の彼氏役で映っているのは、紛れもなく榛名聖だ。

「ふふ、すごいでしょ〜。俺の初仕事⭐︎
まだ発売されてないから、ひーちゃんが読者第1号〜。」


隣で誇らしげな声がする。
私は食い入るように友達が写るページを眺めた。


“クールで知的な彼と博物館デート♡”


――そんな見出し付きの雑誌の中の榛名聖は、洗練されたクールな表情をしている。

私の隣で蕩けそうな得意顔をしている奴とはまるで別人のようだった。