***
駅へ向かう帰り道、並んで歩いていると突然近江涼介がするりと指同士を絡め合わせるように手を繋いできた。
「!?」
思わず赤面してギョッとしたまま近江涼介の方を見ると、
奴は涼しい顔で遠くを見ていた。
「な、ななな何!」
「……別に。」
目線はずっと遠くの方で、少しも目を合わせようとしない。
夕焼けに染まる横顔が、アンニュイな雰囲気を醸し出している。
(……もしかして照れてるのか?これ。)
「ふふ。」
ちょっと可笑しくなってきて、笑って腕同士をぶつけるように軽く体当たりする。
「近江涼介は友達でもあるけど、彼氏でもあるもんね!」
「……何それ。なんかうざい……。」
「ひどっ!宇宙一可愛い彼女に向かってなんでこと言うの!?」
そんなことを言っても絡み合った指同士は離れない。
繋いだ手が、離れない未来を約束しているようだった。



