姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「すごいね、友達。」

「……だろ?」


やりたいことはまだ見つからない。

でも、もう寂しくはなくなった。


だって私も、独りじゃないって思えたから。


心の中が晴れになって、自然と笑顔が溢れてくる。
涙はもうすっかり乾いて、近江涼介が優しく私の頭を撫でた。

「元気になったみたいだな。」

「うん、なんかスッキリした。
たまには泣くのも悪くないかもね!」


「……顔は凄まじいことになってるけどな。」

「え。」

フイ、と視線を逸らした近江涼介の言葉に凍りついてコンパクトミラーを取り出す。

目は腫れぼったくメイクはヨレヨレを通り越してボロボロ。

ウォータープルーフと美少女なお陰でギリ見られるレベルの顔面だ。

「ギャッ!……ちょっとお手洗い!!速攻で直しに行ってくる〜!!」

ドタバタと走り抜けた園内はすっかり夕暮れ。
なんか格好がつかないまま初デートは幕を閉じていった。