姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「そう、……かしら?
言われてみれば、まぁ、そうかも?」


ここ最近、ずっと当てもなくがむしゃらに勉強し続けるだけだったし。

こんな風に、何にも考えず誰かと遊ぶことが久しぶりだったからかもしれない。


観覧車はいつのまにか頂上に差し掛かっていた。


窓の外は今日一日遊び尽くした園内や、その向こうのずっと先の景色まで広がっている。
空には青と朱が混じる光が雲に反射して美しい。


――だけど、私の視界には今、近江涼介しか映らない。



「姫が笑うと俺も嬉しい。」


「……今日はやけに素直じゃない?」


真っ直ぐ見つめる嘘のない目と優しい声色に心を揺さぶられて、照れ隠しで茶化してしまう。

近江涼介はそれにもフッと微笑んで、私の頭を愛おしむようにひと撫でした。


「これを降りたら、話をしてもいいか?」


決意の奥に、緊張と寂しさが混ざった表情。
でも近江涼介は私から目を逸らすことはしない。

さっきまでの甘い緊張感が、嫌な感じに変わって胃がキュッとする。

何か大事な話なんだとわかるから、私も近江涼介を見たまま静かに頷いた。