姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―



そう言えばそうだ。
近江涼介の進路の話って、今まで聞いたことがない。


近江涼介は何かを考えているのか誰とも視点を合わせず無表情で黙っている。

数秒経ってチラリと私に視線を向けると、フイと顔を逸らして返事をした。


「……一応、進学。」

「へぇ、どこ?」

広瀬真が何気なく掘り下げる。
私も気になって前のめりになった。

「それはまぁ、今度言う。」

「はぁ〜!?んだよそれ、まぁいいけど……。」

「秘密主義とかダサいよ〜?涼ちゃん。」

「そういうわけじゃない。」

3人がワイワイ盛り上がる中で、私は近江涼介の視線の意味を考える。

なんとなく胸がざわつく。

でも、近江涼介はきっとこれからも近くにいてくれるのだろう。


(だって“何があってもずっと好き”って言ってくれたし。)

夕焼けに染まったあの日を思い出してキュンとする。


――だから、大丈夫なのだ。

“近江涼介が”決めたことなら応援しなくちゃ。