「自分で自分の道を切り開くために、親の要求を上回る選択をし続けて自由に進んでいくことにした。
父親は置いてけぼりで突っ走れ、――だろ?」
広瀬真が私を見てニヤリと笑う。
未来を自分で勝ち取りにいく――そんな自信に満ちた姿。
「それ、すっごくいい!応援する!」
今度は心から納得してそう思う。
近江涼介も微かに笑って頷いて、榛名聖も心なしか嬉しそうに眉を下げて微笑んでいる。
「親が納得するレベルのところに行くには、まだまだ勉強が足りねぇ。
だから昼休みも勉強に充てるために来るのをやめる。
――ここにいると、どうしても気が緩むからな。」
ほんの少しだけ表情を曇らせて言いにくそうにしたのは寂しいと思ってくれているからだろうか?
――私もね、ちょっとだけ。
でも友達の決意を鈍らせるなんてことはしない。
ちゃんと背中を押さなくちゃ。
「当然!やるからには本気でしょ!」
「根詰めすぎも良くないから、たまには息抜きしようねぇ。」
「できるだろ。真なら。」
近江涼介も榛名聖も、笑って友達を送り出そうとしている。
「おう、ありがとな。」
広瀬真は片眉を下げてくしゃりと笑う。
その決意を乗せるように、窓の外で風が新緑をさらっていった。


