「お前……ッあぶねーだろうが!
誰とも揉めてねぇから落ち着け、ドアホ!」
榛名聖が元に戻しておいてくれた椅子に突き飛ばす様にして広瀬真が私を座らせる。
それから気を取り直して咳払いすると、一息ついて話し始めた。
「俺、アメリカに行こうと思ってて……」
「アメリカ!?何で!?ついに本当にグレたの!?それとも自分探しの旅!?」
「うるせぇ、黙っとけ。」
「痛ッ……!!!」
話の腰を折まくる私に苛立った広瀬真が思い切り額を弾いてきた。
「落ち着きがない奴。」
「よしよし、ひーちゃんちょっと静かにしてようねぇ。」
榛名聖が私に飴を差し出しながら優しく嗜めてきた。
馬鹿にされてるのがわかるから、イーと自分の口を引き伸ばして反抗した。
飴はもらったけど。
「行くって言っても今じゃなくて卒業後!
アメリカの大学に進学するってこと。」
やっと落ち着いて話ができる状況を取り戻した広瀬真が大義そうにそう言った。



