姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「初めて会ったあの時、私のことを褒めてくれてありがとう。」

“結構やるな”って、頭を撫でてくれた。

「俺の友達に何してんの?って、助けてくれてありがとう。」

私が「助けて」って言ったら、本当に助けに来てくれた。

――喋るたびに走馬灯みたいに、嬉しかったことが溢れてくる。


「いつもなんでもない話を全部聞いてくれてありがとう。

広瀬真と喧嘩した時にちゃんと諭してくれてありがとう。

夏祭りに行く約束を覚えててくれてありがとう。

悲しい時や悩んでる時に必ず現れて、気持ちを救ってくれてありがとう。」

無口で無表情でロボットみたいで、何を考えているのかさっぱりわからない。

それなのに、肝心な時はいつも私の心を照らして導いてくれる。

「“私”を見てくれてありがとう。」


言えば言うほど胸が締め付けられて、喉が熱くなってくる。

それでも伝えたいことが止まらなくて、滲む瞳が決壊しそうなのを堪えるために結んだ唇が震えた。

「……いつも味方で、友達でいてくれてありがとう。」


頑張れ私。あと少しだ。
それまでは絶対に、絶対に弱いところを見せたりしない。



「大好き。
ずっと近江涼介の隣にいたい!」