姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


近江涼介の表情からは全く感情が読めない。
ここまできたらもう進む未来しかなくて、その結果もわかるからちょっとだけ切なくなってくる。

突然やってきたその時に、自分を奮い立たせる様に無理やり口角を引き上げた。

「近江涼介。」

そっと、心を探る様に目の前にいる好きな人の名前を呼ぶ。

そうしたら澄んだ切れ長の目と視線が絡み合って、胸の音が早くなった。

「今話をしてもいい?」

「……ああ。」


静かな頷きは終わりの合図だ。


でも絶対に止まったりはしない。
ちゃんと、ちゃんと伝えて元通りにする。

結んだ唇が震える。
決意がブレない様に拳を握って、私は近江涼介をまっすぐ見つめた。