姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


休憩時間は残り5分。
姫は一度お手洗いに立つと、メイク直しやらなんやらでチャイムが鳴るまで戻らない。

だからもう少しだけ真に踏み込んでみることにした。

「まーくんはさ。

ひーちゃんと付き合いたいとか、独占したいとか思わないの?」

「思……ッ!わねー……ことは、ない、けど……。」


真の顔がわかりやすくカッと赤くなる。

思わず出した大声は、周りの視線が集まったことに気付いてどんどん小さくなって最後はギリギリ聞き取れるくらいになった。


(いや、思うんかい。)


心の中で聖は冷静にツッコむ。

なんとなくのイメージで真は恋愛に対してそういう具体的な欲求を持っていないと思っていたから、高校生男子らしい健全な欲求を持っていたことを知って驚く。

(そんな欲求があったにも関わらず、自分の気持ちは二の次でひーちゃんに尽くしたってこと?)


「欲しい」と思ったら最速最短の方法で手段を選ばず手に入れようとする自分には、到底理解できない行動だ。

聖は感心ともドン引きともいえる複雑な気持ちになった。