姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


翌日の朝、私は寝不足でフラフラになりながら登校した。

考えることが多すぎる上に、どれも中途半端でまとまらない。

廊下を歩きだすと、楽しそうに喋るカップルとすれ違った。

……付き合うってなんだろう?

あんな風に並んで歩きたいってこと?

でもそんなの今だって出来るし。
恋人らしいスキンシップをしたいかと言われると、別にそう言うわけでもない。

後ろを振り返ればさっきのカップルがまだ楽しそうに戯れあっている。
2人の距離感は友達同士のそれと何も変わらないように見える。

あの人達はどうして付き合うことにしたの?
今まで私に告白してきた人達は、どうしてそうしようと思ったの?

近江涼介への“好き”が、友情から恋に名前を変えただけ。

ガラにもなく素直な本音を言えば、広瀬真も好きだし、榛名聖のことも好き。

じゃあなんで、近江涼介への気持ちだけ名前が変わったんだろう?

「通行の邪魔。」
「わっ!」

無意識に廊下のど真ん中で立ち止まっていたらしい。
いつのまにか背後にいた近江涼介に声をかけられた。


て言うか最近背後から登場するパターン多くない?
それも悩んでいる時に。

やっぱり思考を読まれているのか。なんて侮れない奴だ。