姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「だって告られたわけじゃないだろー?

あー、でもちょっと距離はとるか。
期待させたら悪いし。」


傑兄ちゃんの言葉を受けて、私は宙を見てこれまでのことを振り返った。


広瀬真と2人になることは多いし、なんなら最近2人きりになったり、お出かけもした。

4人でいる時の布陣も大抵広瀬真と隣り合っている。

毎日のように0距離で喧嘩して、ボディタッチも数えきれないほどしてて……


アレ?
もしかして私、期待させる行動取りまくってた……?

大嫌いな思わせぶりムーブを自分がやらかしていたことに気付いて気が遠のく。

……いや!でも待て。
広瀬真は私より先に私の恋心に気づいていたわけだから、そもそも期待はしていないハズ……

だってそうじゃなきゃ、私が近江涼介への恋心を自覚する後押しなんてする意味がわからないし!

……というかアレ?

期待してないにしても、広瀬真からしたら私が恋心を自覚するデメリットはあってもメリットはどこにもなくないか?

じゃあなんで広瀬真は、あの時あんなことをしたんだろう?