姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「どうせ応えられねーなら、綺麗に終わらすよりハッキリ断るか無視して最低な奴って思ってもらった方がいいだろ。
その方が未練も残らねー。」

「わかってないねぇ、まーくん。
こういうのは“ありがとう”って気持ちを受け取ってもらってからお断りされた方が、未練なく終われるものなんだよ〜?」

「振られたこともねー奴の言うことなんか信じられるか。バーカ。」

「えー、少なくともまーくんよりは恋愛偏差値高めなのに〜。」

恋愛偏差値最底辺の私は、発言している方を交互に見ながら話の成り行きを見守るので精一杯。

首をブンブン振りすぎてそろそろ酔いそうになった時、ふとこっちを見た広瀬真と目が合った。


“違う。お前との事は関係なくて、あくまで一般的見解を述べただけだ”

――といった態度だろうか。
焦りを浮かべて眉を顰め、私より忙しく首を横に振っている。


“とりあえず承知した”

……と、そっと親指を立てて合図すると、広瀬真は一安心とばかりに胸を撫で下ろしてため息をついた。

未だに幻聴だと疑っているけど、
広瀬真は私に恋をしていたらしい。

でも、“消化した”んだって。

(つまり、いつも通りでいいってことよね?)

手を下ろしてもなんとなく立てたままの親指をじっと見つめる。
なんとなく納得いかないようなモヤモヤ感。

私は何に引っ掛かっているんだろう?