“俺らの友達に何してんの?”
“友達はこうするものって、型にはめなくていんじゃねーの?”
私が知らない感情を教えてくれた。
友達とは何かを教えてくれた。
いつも褒めて、寄り添ってくれた。
気持ちが沈むようなことがあった時、必ず駆けつけて助けてくれた。
たまに笑うと嬉しくて、見つめられると目を逸らすことができなくなる。
悲しいくらい献身的で、自分は後回しで人のことばかり考えるような優しい人。
私の髪を掻き乱すように撫でる手を、
他愛もない話を延々聞いてくれる視線を、
走って助けに来てくれた後ろ姿や、
寒い中待っていてくれた細かな思いやりを幾つも幾つも思い出す。
(ああ、そっか。)
悩んでいたことが、一瞬で腑に落ちた。
胸のもやもやがすーっと消えていく。
憑き物が取れたかのようにどんどん表情が腑抜けていく私を見ながら、笑顔を保ち続けている広瀬真は切なさを押し殺しているかのよう。
胸が痛いほど苦しくて、でもどこか温かくて。
こんな気持ち、きっと――初めてだ。
私は、近江涼介のこと。
「すごく、すごく好きみたい……。」



