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連れてこられたのはいつかの屋上。
あの時は確か秋。今は真冬。
ほぼ吹きっさらし状態の屋上は地獄の寒さだ。
「さ、ささ寒い!なに!?
なんなのこんなところに呼び出して!」
コートを着ていてよかった。
じゃなきゃ凍死レベルだ、こんなの。
不良は何かと屋上に行くっていう漫画的セオリーに憧れての行為なのだろうか。
なんでもいいけど私を巻き込まないでほしい。
「お前、涼介のことどう思ってんだよ。」
不意打ちで出された名前に体の震えがピタリと止まる。
意図のわからない質問に、私は顔を顰めた。
「“どう”って何?友達だと思ってるけど!」
「そーかよ。
――じゃあ何で栗谷天音と涼介が親しくしてると辛そうにしてるんだよ。」
「それは……っ!」
心を見透かす問いに、反論しようとしたのに何も言えなくて言葉に詰まった。
広瀬真に見抜かれるなんて、相当顔に出ていたということだ。
「それは……、その、
多分私の友達としての心の余裕が足りないからで………」
自信もなくて地面に視線を向けながら、言葉に詰まる。
刹那、私の頬を広瀬真が両手で思い切り掴んで上を向かせた。
「んなワケねーだろ、バ――――カ!」



