姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「そ、……そんな顔ってどんな顔よ。
友達の応援なんだから喜んでやってるのよ、こっちは!」


「仮にお前の協力とやらで涼介と栗谷の距離が縮まったとして、お前はそれでいいのかよ?」


私を見つめて真っ直ぐ切り込んできた広瀬真の言葉に固まる。
ズキンズキンとずっと痛んでいた心の痛みが強くなって、強く拳を握りしめる。

近江涼介と天音ちゃんが、このまま仲良くなっていったら。

それは、すごく……


無意識に出てきた思考を遮断する。

だって私と近江涼介は友達で、私と天音ちゃんも友達で、つまり、私の友達同士が仲良くなってもしかしたら更に進展していくかもしれないだけで。

むしろ喜ぶべき場面だ。
喜べないのは、私の友達スキルが未熟だからなのだ。

「いいに決まってるじゃない!友達に別の友達ができるのを不服に思うほど幼稚じゃないしー?
友達スキル低すぎる真くんにはわからないか⭐︎
友達を想う高尚なこの気持ちが。」

「はぁ?意味わかんねぇこと言うなよ!
ってか友達とかそういう話じゃ……」

「あーもうハイハイ。わかった!わかりまちたー。
あっ大変、次の授業の予習しなくちゃ。てことで先に教室に戻るから。」

これ以上未熟な心を掻き乱されたくなくて、雑に弁当箱を纏めて席を立ち強制的に話を切り上げる。

私が出入り口に向かって歩き出してもまだ何かごちゃごちゃ言っている広瀬真に腹が立って、去り際に思い切りあっかんべーをして出て行ってやった。