姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

***
「あは、涼ちゃん見て見て。面白いもの出回ってるよ〜。」

姫たちとは別のバスで、涼介と聖も隣同士だ。


楽しそうに笑う聖は、涼介にスマホを寄越して画面を見せる。

そこにはバスの座席でお互いに凭れ掛かり合いながら眠る、姫と真の画像が写っていた。


「ひーちゃんたちのクラスのバス、騒然としてるって。
2人が起きた時の反応が楽しみだねぇ。」


ゴシップを喜ぶ様はまさに他人事。

近江涼介は淡白に画像を見つめている。


「ひーちゃん楽しかったみたいでよかったね?涼ちゃん。」

「これでひねくれがマシになるといいけどな。」


「それはどうだろう」と榛名聖は笑う。

画像の中の姫の寝顔は緩く微笑んでいて、林間学校の感想を言葉より素直に著しているようだった。