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「はー……イルミネーション見にきてなんでこんな息切れしてんだよ、俺ら……。」
「ね、ホント不思議……。」
園内を一周して、今は入退場口に戻ってきた。
キャッキャうふふと園内に消えていく人達を尻目に、私と広瀬真は隅っこで膝に手をつき呼吸を整えている。
ふと、入場口の門に付いている時計を見れば、もう19時を回っている。
門限は20時。今から帰ればちょうどいいくらいだ。
「……帰るか。」
「うん。」
2人同時に体を起こすと、退場口へと向かう。
「あっ!そうだ!」
園内を出る一歩手前で大事なことを思い出して立ち止まる。
怪訝な顔をして首を傾げる広瀬真に向かって、私は満面の笑みで言った。
「メリークリスマス!広瀬真!」
予想外のセリフに広瀬真はきょとんとして瞬きを繰り返す。
それから片眉を下げてはにかんで笑った。
「メリークリスマス、姫。」
帰り道、あれこれ今日のことを振り返る。
何分かに一回は喧嘩を挟みながら恋人だらけのクリスマス・イヴの街中を、そうではない私達も2人並んで歩いていった。



