姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


広瀬真が顔を顰めながら赤くなった頬を撫でているのを見て、溜飲が下がる。

再び豪華なクリスマスツリーの方を向いて、ぶっきらぼうに歩き出した。

「あーあ!近江涼介も榛名聖も来ればよかったのに!
こーんなすごいの見逃すなんてもったいなーい。
写真撮って送りつけてやろ。自慢しよーっと。」

クリスマスツリーをカメラに納め、メッセージアプリで近江涼介と榛名聖に何枚も送りつけてやる。

そんな私を見ながら、広瀬真は口を開いた。

「……お前にとってそこ2人は同列なんだな。」


「どういうこと?友達に優劣なんてなくない?

近江涼介も榛名聖も広瀬真も、みーんな横並び一直線で友達だけど?」

何を当たり前のことをしみじみ言ってくれちゃってんの。
なんか流行りのトンチとか?

わけがわからず顔を顰めた私とは裏腹に、広瀬真はなぜか嬉しそうに口元を緩ませている。

「そーかよ。」

そう言って吹っ切れたみたいな様子になって、今度は私を追い越して歩き出す。

「あっちょっと待ってよ!先に行くなんてズルいわよ!」

「お前だってさっきまで先行ってただろ。悔しかったら追い越してみろよ。」

「なんですって!?ブーツとスニーカーじゃ私が不利に決まってんじゃない!止まりなさいよ!」

金色に輝く光の中で、私と広瀬真は子どもみたいにはしゃいでいた。