ぐらりと足元が揺らぐ。
人混みの流れに乗る姫が数歩先を進んでいく。
――なのに俺は今、涼介に嫉妬してしまった。
姫の隣で、俺は今何を思っている?
腹が立った?悲しかった?
……上手く形容できないけれど、ただ、好きでこっちを見てほしいって――……
無意識に俺の手が姫の手に近づく。
華奢で小さなその手を今掬い取ったら、姫はどうするんだろう?
知りたい。確かめてみたい。
頭ではなく本能がそう言っている。
それに突き動かされるままに姫の手を掴もうと手を広げる。
……触れてみたい。
涼介より、聖より、一歩だけでも近づきたい。



