俺が知らない内に何か心境の変化があったのか!?
好きな奴ができたとか……
ドッと急に動悸がして変な緊張感が走る。
その横で涼介が何でもない顔をして口を開いた。
「栗谷と友達になったからだろ。」
「は?」
「そっかぁ、念願の女の子の友達ができて、すっかり牙を抜かれちゃったんだねぇ。ひーちゃん。」
ぽかんとする俺を差し置いて、聖もどこから出したのか“祝⭐︎女友達”の手旗をヒラヒラさせながら微笑んでいる。
当の姫はと言うと、両手で顔を覆って耳まで真っ赤にして悶絶している。
「うゔ……、言わないでっ!」
ああ、これあれか。
俺らと友達になったばっかの時と同じ現象だ。
コイツの照れポイントがマジでわからねぇ。
無駄に焦って損した……
………………。
いや、別に焦ってねぇし!!!!
無意識の思考を慌てて宙に手を振って掻き消す。
やっと顔を上げた姫が、俺の奇行に不思議そうに首を傾げた。
「どしたの?広瀬真は。」
「あ〜、気にしないでいいよ。ムッツリしてるだけだからぁ。」
「してねぇよ!」
静かなはずの旧校舎が賑やかに沸いて、昼休みのひと時は過ぎていった。



