姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「ひーめー!兄ちゃん、兄貴に怒られちゃったよーう!」

態とらしい泣き真似をしながら頬擦りをかまされた。うざい。
渉兄ちゃんは「怒ってはないでしょ」と呆れ顔でキッチンに紅茶のおかわりを淹れに行ってしまった。

ひとしきり私を撫でくりまわして頬擦りもして、傑兄ちゃんが満足して離れた頃、渉兄ちゃんがキッチンから私の方を見て言った。

「何はともあれ、女の子の友達ができてよかったね。
今度ウチにも連れて来て紹介してね?」

和やかで優しい兄の眼差しにちょっと照れ臭くなる。

兄ちゃん達は友達ができないせいで泣き虫だった私も、強がりでひねくれていた私も全部知っているからなぁ。

「うん。今度頑張って誘ってみるね。」

ほわほわと生暖かい空気が部屋中を満たす。
今日も平和な藤澤家。