「友達の友達は、友達じゃない。」
「なにそれ?早口言葉?」
首を傾げて見上げた私を、近江涼介も呆れて見下ろす。
「……姫と栗谷は友達でも、俺達と栗谷は友達ではないってこと。」
なるほど、わからん。つまりどういうことなんだろうか。
そんな思考が顔に出ていたのか、私の頭に手を置いたまま近江涼介は話し続けた。
「栗谷と俺達が仲良くする必要はないし、それをお互いに求めてもない。
だったら栗谷が俺達を嫌ってることを悩むだけ無駄だし、姫は気にせず両方と付き合っていけばいいんじゃねーの?」
「そっか……。」
近江涼介達がいい奴だって本当はわかってほしいけど、そうすることは絶対的に必要なことではない。
だから気にすんなってこと、なんだよね?
「正直まだモヤっとはしてる。けど、近江涼介がそう言うならもう気にしないようにする!」
不思議と心が晴れやかになって笑顔になれた。
――近江涼介の手と言葉は、やっぱり何か不思議な力を宿している。



