姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


ひーちゃんのことが心配だったんだろうなとしみじみ思っていると、続いて涼ちゃんが冷静な声で言った。

「見つかったなら早く宿に戻れ。

お前らと他クラスの誰か1人、行方不明になったって大騒ぎになってる。」

(げ、忘れてたー……。)

班行動をしていたことと集合時間のことを思い出して気が遠くなる。

慌ててスマホの時計を見れば、集合時間を2時間も過ぎていた。

「了解、すぐ宿に向かうから先生達にそう言っといてくれる〜?

あ、あと多分他クラスの1人も今一緒にいる子だから、その子のことも言っといて。
うん、栗谷さんって子。何組かは知らないけどー……」

「わかった。」

騒ぎの中でも落ち着いている涼ちゃんの声の後に通話が切れる。
そして再びまだ小競り合いをしている3人の方に向き直ると、これを収めるのは少し苦労しそうだとため息をついた。