姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「別に自分で起きれたし!
それより、アイツは友達!頭突きされたしどつかれたけど悪い奴じゃないから!

広瀬真も!あま……栗谷天音は物騒だし変な奴だけど悪意はないから!」

「騙されてはいけません!この人達は悪戯に女性の心を弄ぶ悪党です!」
「悪意ないわけあるか!頭かち割られるところだったんだぞ!」

“栗谷天音”と呼ばれた木刀の子とまーくんの鋭い声が重なって、2人がムッとして睨み合う。

そしてその間に立たされたひーちゃんは、やっぱりひとり空気が読めていない。


「あー!わかった!H2Oのネガキャンして、私にコイツらと距離を置かせようって魂胆ね!?

そうはいかないから!奴らの悪いとこも全部承知で友達やってるからー。」

ひーちゃんは栗谷さんに向かって子どもみたいに舌を突き出す。

「いやいや、そういうことじゃない」と栗谷さんも丁寧な言葉で否定したし、俺もまーくんも心の中でツッコんでいる。

まーくんの今の顔、俺と同じく呆れ顔だもん。


……そして違和感の正体も分かった。

まず、栗谷さんが女の子なのに俺らに興味ないどころか敵意を示していること。
更には女子に目の敵にされがちなひーちゃんの味方についていること。

そして、最大の違和感はひーちゃん自身が栗谷さんにちょっと心を許しているように見えること。

めちゃくちゃ“素”を出してるし。

ひーちゃんが行方不明になっていたほんの少しの間に何があった?
栗谷さん、実は侮れない子なのかも……