姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


ひとしきり不毛な言い争いを続けて2人息を切らせていると、まーくんがひーちゃんの肩を掴んでズルズルと体の力を抜く。


まーくんがひーちゃんの肩を掴んだ瞬間、その手が小さく震えていることに気づいた。

「本当に……心臓止まるかと思った……!」

弱々しく消え入りそうな呟きに、金色のつむじをぽかんと見下ろすひーちゃん。


……あれ、ちょっとだけ空気が甘くなってきた気が…………


「姫ちゃんから離れなさい!この不届き者!!」

――マズイ。
そう思うより早く、毅然とした声が甘い雰囲気をぶち壊した。