「あ、見て見てこれ可愛い〜!」
後ろで女共の楽しそうな声が聞こえる。
親切な自分に酔ったくだらない男共に囲まれながら、近くで楽しそうにしている女共の気配を感じる。
“わたしもそっちにいきたいのに!”
小さい頃の記憶が断片的に蘇って思わずビクンと揺れる。
そっか、そんなこと思ってた時もあったっけ。
私がビクッとして急に立ち止まったのを、ジャガイモ達が不思議そうに見ている。
最近嫌だったこととか、悲しかったことをよく思い出してしまうなぁ。
そうすると必ず近江涼介達を思い出して、あのいつもの騒々しさが恋しくなってきてしまう。
(なんだか嫌だな、そんな弱い自分。)
一方的に求めて寄りかかるお姫様ではなくて、対等に並べる“友達”でいたいのに。
そう思うのに、私はあの手を――……
「えっ近江くんだぁ!♡」
後方から湧いた黄色い声と呼ばれた名前に驚いて振り向く。
見ればそこに近江涼介の姿はなくて、声を発したであろう同じ班の女共はその内の1人が持っているスマホの画面を覗き込んではしゃいでいる。



