姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


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私たちの班は祇園周辺を巡るプランを立てた。
駅から京都らしい古都の風情が残る街並みを歩いて、八坂神社や知恩院、清水寺と神社や寺院を回るコース。

近場ばかりで纏めたコースだから必然徒歩が増えるわけだけど、私達は終始ジャガイモと私・女共という並びで歩いている。

今は広い公園を散策しながら、知恩院という寺院を目指しているところ。

女共はジャガイモ達が私を取り巻くことに対して気に食わなそうな顔をしていたが、しばらくして諦めたのか女3人で観光を楽しみ始めていた。

「ふ、藤澤さん。これから行く知恩院はね、重要文化財や国宝に指定された建造物が多くて、ほら、この画像の建物なんかは――……」

ジャガイモ1が私の横でずっと蘊蓄(うんちく)を唱えてくる。

私にいいところ見せようって気持ちがありありと伝わってくるけど、私からしたらただのつまらない音声ガイドだ。

反対隣ではジャガイモ2が「喉乾いてない?」「疲れてない?」と召使みたいになっていて、後ろでジャガイモ3と4もわさわさ何かを喋ってる。

(あー、つまらない。なんだこれ。)

建造物に興味が出れば自分で調べるし、疲れたら自分で休むしお腹が空けば行きたいところを探して行く。

必要以上に構われる、至れり尽くせりな状況はただただ煩わしいだけだ。

(私に侍ってくる男共っていつもこうよね。)

私のことを清楚で可憐で、守ってあげなくちゃいけない存在だと決めつけていらない親切を押し付ける。

そうやっていいことをして“あげて”、私の好感度を上げた気になって気持ちよくなる。
こっちからしたらありがた迷惑でもなんでもない、ただの大迷惑なのに。