姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「へぇ!こんなところがあったんだ……
っあ、ごごごめんなさい!!」

ドアから顔を覗かせた女が部屋を見渡して私達を見つけたのだろう、声を上擦らせて慌ててドアを閉めた音がした。

「どうしたの?」

「人がいた!しかも取り込み中……!」

「え!?もう、だからやめようって言ったじゃん!」


ドアの外でそんな会話が聞こえて、次いでバタバタと走り去っていく音がする。

内容からして、私達だと気付かれてはいなそうだ。

「ナイス!近江涼介……」

機転の効いた行動に、よくやったとパッと顔を上げる。

――そうしたら私の鼻先が近江涼介のそれを掠めて、澄んだ鋭い瞳と間近で視線がぶつかった。