姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


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――……
部屋を出たところで生徒達がうじゃうじゃ歩いているから少しも気が休まらない。

「湯上がりの藤澤さん見ちゃった、ラッキー。」

ジャガイモ共とすれ違う度に好奇の目や好色そうな目を向けられるのも疲れる。

気持ちが、どんどん下に沈んでいく。
やっぱり来なければ良かった――
なんて後悔が脳裏にチラついた。

注目されたい気分ではなかったので人のいない方へいない方へと進んで行く。

そのうち、ロビーフロアの奥、薄暗い通路の先に“談話室”と書かれた部屋を見つけた。

表示の下には“ご自由にご利用ください”と手書きの貼り紙もあるけど、こんなひっそりとした佇まいで誰か気づく人はいるのだろうか?

“許可した場所以外の旅館の施設利用禁止”

そんな決まりがあった気がするけど、安息を求めて私はそのドアに手をかけた。