姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


その前夜、父親と彼が言い合いをしているのを聞いた人がいたらしい。

「料理なんて息子には不要なこと」

そんな声が漏れ聞こえたとか。

(僕のせいだ……。)

誰もがそうではないと諌めたけど、そんなわけない。
初めてあんなに楽しくて嬉しくて、俺がみんなに吹聴したから。


後悔してももう遅い。

誰にも迷惑をかけちゃいけない。
勝手なことをしちゃいけない。

同じことを繰り返さないよう、以前にも増して俺は粛々と言われたことだけをこなすようになっていった。