姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「そんな風に思うのは、真坊ちゃんが努力の大切さを身に染みて知っているからですね。」


“まだ小さいのに”
……そんな哀れみが、本当はその後に続いていたのだと思う。でも、彼はそれを言わなかった。

「何かを得ようとする時、才能よりも努力をし続ける強い意志の方がよほど大切だと私は考えています。」

出してあった皿におにぎりを乗せて、高橋さんが俺にそれを差し出した。

「坊ちゃんは頑張り屋さんです。
理不尽を跳ね返すほど、努力をし続けられる強い子でいてください。」

言葉の意図はわからない。
でも、俺の心に今も刺さってる言葉のひとつだ。




――数日後、高橋さんは広瀬の料理人を辞めさせられた。